今週号の週刊文春のコラムでハヤシマリコさんが書いているんだけれど、最近は日本の若者達が海外渡航することが減っていて、10年前と比べて35%減少しているらしい。留学ばかりか旅行にも行くことが少なくなっているとのこと。最近では、海外で旅をしているのはアジア人では中国か韓国からの若者ばかり。へーー。僕らの時代にはもちろん僕も含めて「猫も杓子も」(笑)、海外へ向かったものだけれどね。たしかに、海外に行くにはエネルギーがいるし、今は国内で温泉に入って美味しいものを食べて「まったり」していた方が居心地いいし、ユニクロを着てコンビニでご飯を食べていればお金はかからずに、それなりの生活ができるわけだし。
ただし、僕の感覚から言えば海外を目指す若者の「実数」はそんなに変わっていない気がする。つまりこの現象を日本の「デフレ不況」の経済状況だけが原因とするには無理があって、僕は若者の価値観の多様性というか選択肢が広がったことじゃないかと思う。行くヤツは頻繁に行くし、行かないヤツは全然行かない、という図式。つまり格差とかお金の問題じゃない。うちの長女のかなPみたいに、ヒマさえあればお金もないのに世界中どこにでも飛んでっちゃうヤツは昔は珍しかったけれど、今じゃ珍しくも何ともない状況。
僕の世代が必死にバイトして「格安航空券」を探して旅をしていた30年前と比べて、円の強さと通貨価値の変化を考えてみれば、今は「激安」なわけだから。それだけ、日本人としてだれでもいつでも世界中どこにでも行ける環境は整っているのだ。
「若者よ荒野をめざせ!」っていう言葉の響きは、1970年代特有の若者の上昇志向とハングリーな挑戦精神を確信犯的に刺戟した。逆に言えば素直に刺激されちゃった若者達(笑)。今じゃ、あまりにもアナクロで赤面もんなんだけれど、アノ時代の「左翼的ラディカルなカッコよさ」は、たしかにあの時代特有のキラメキがあった。今の若者からすれば、「えっ、それがどーしたの?行く人は勝手に行けばいいし・・・」って感じなんだろうけどね。
そんなこんなで、来春大学入学の決まってモラトリアム期間中の末娘さとちゃんが、入学前にイギリスへ一人旅&短期留学するべく準備中。僕らがヘルプしてあげるのは簡単なんだけれど、自分でどこまでできるのか、かみさんとちょっとドキドキしながら見守ってる。