「苦しいところから始まって、それがつらさになって、次には心の痛みが来て、でも最終的に笑顔になれて、最高です!(10回のチャンスでは)僕は「持ってます」ね。神が降りてきましたよ。ここで打てれば…とか、心の中で実況しながら打席に立った。そういう時って、あまりいい結果が出ないんですけどね。でも、これで壁をひとつ越えたような気がする。今回は谷ばっかりだったけど、最後に(山に)登れてよかった。(場内を1周して)気分よかった。ほとんどイキかけました。球場のファン、日本で応援してくれた人、すべての人に感謝したい」
このイチローの言葉を、偉ぶった鼻持ちならないイヤらしい言葉と受け取ってしまっては、この天才の真意は伝わらないと思う。超一流のスポーツ選手というのは、自意識を自分の進むべき方向へ向けられる「力」がある、ナルシストなのだ。
当代一流の天才の姿を観た。