September 11, 2006

夏休み一人旅(その2)

伊勢市に向かうタクシーの運転手さんがこれまた親切なおじさん。お客さん、紀伊半島の南端のほうに行くのはいいけど、熊野のほうはあまり薦めないよ、特に計画なく歩くところじゃないし、第一この天気がどうなるか・・・。ううむ確かに。彼は伊勢市駅前にあるJTBまで行ってくれることになった。

あのう、これから南紀白浜に行って泊まりたいんですけど。。。と係の女の子に聞く。えっ、これからですか?と驚いた様子。もしこれから行くとすれば、近鉄で名古屋方面までもどり、多気でJR乗換えて紀勢本線。あら、でもムリだわ、これからじゃ、と彼女。え?だってまだ午後3時だよ、と僕。紀勢本線はこちらからだと昼前に出ないと難しいし、第一当日予約の一人旅を受け入れる旅館はないでしょう・・・と。いわゆるビジネスホテルはないし、一泊二食が基本の旅館ばかりだと。はほへ?そうなんだぁ。伊勢志摩、二見、鳥羽の観光地にしても一人旅は難しいでしょう、今からでは、との返事。

じゃあどうしよう?近鉄特急で奈良に行ってみようかな?と言うと、ええ?奈良ですか・・・と、彼女。奈良って観光地という勝手なイメージがあったのだが、ビジネスホテルは皆無、観光ホテルも少ないんだと。ううむ、確かに京都に泊まったほうが便利そうだ。奈良に泊まって斑鳩の里の散策、なんていうのもイメージしていた僕は、またがっくり。

じゃ、京都にしょう!さっきまで熊野とか白浜とか、はたまた奈良とかいって彼女に散々コンピューターを操作してもらっていたので、キョトンとした表情の彼女。近鉄特急で京都はダイレクトにココからいけるでしょう?ええ、まあ。じゃ京都のホテルを予約して、と僕。唖然とする彼女にお願いする僕。デイパックを背負って無精ひげ、古びたキャップ、ぼろのシーンズのこのおじさんは何を考えているんでしょって感じ(笑)。結局、一泊朝食付き1万円の河原町のビジネスホテルの予約が取れた。

京都行きの近鉄特急は、僕のほかに2-3組くらいしか乗っていない。がーらがら。列車は伊勢、奈良の深い緑の中を快調に進む。外の風景を眺めているうちに、どうやらウトウトしたようだ。5時半に京都到着。

雨も上がっているし、京都駅から河原町・五条のホテルまで歩くことにする。30分間の散策。ホテルはこじんまりとしたビジネスホテルだが、まあこの値段ならこんなもんでしょ、というホテル。寝るだけだからそれで十分。荷物を置いて即シャワーを浴びて、7時ころ四条へ向かう。

夕食をどうするかは決めていなかったが、いわゆる京都料理は一人じゃムリだし、名物の「にしんそば」は夕食には軽すぎる。京都で寿司はNGだし、小料理屋にはちょっと入りづらい。ああ、どうしよう、と歩いていのだが、イマイチ決めきれず、祇園裏手へ。目に付いたうなぎ割烹の「松乃」という、そこそこ歴史のありそうなお店に入ることにした。うなぎ割烹のコースと松茸の土瓶蒸し。ビールから初めて菊正宗吟醸の冷酒2本。うまし!

9時に部屋に戻る。途中で買ったウィスキーの水割り缶を飲みながら、持参した「白州正子自伝」を12時過ぎに読了。魅力的な人だなあ、白州正子という女性。夫の白州次郎の本から始まり最近のマイブーム。東京>名古屋>宇治山田>伊勢神宮>伊勢市>京都と大移動の一日。気持ちよく爆睡・・・